某月某日(2日目)
九州北部は今日未明から朝にかけて雨となるでしょう。
その後は雨は上がり、夕方から夜にかけてところにより晴れ間が覗く見込みです。
・・・。
朝、ホテルの窓から外を覗くと、傘をさした人影が。
・・・くぅぅ、持たなかったか。
昨日一日、空がもっただけ、良しとすべきかぁ。
なんせ、マットガード(泥よけ)がないんですよ。ワタクシのチャリ。
別に、もう駆動系とかフレームとか、
そういったもの心配をしているわけじゃないんですが、
雨の日に走ると、車輪が巻き上げる水で、かなりぐしょぐしょになりまして。
どぉしようかなー。
最悪、佐賀空港に戻って雨宿りしつつ、夜の出発まで時間をつぶすことになるかも。
とりあえず最悪の想定をしつつ、ホテルの朝食を済ませて部屋に戻ってくると、状況は改善しつつあるようで。
もう歩行者は傘をさしていないし、路面は依然としてウエットだけれども、交差点付近の路面が熱を持つ部分は、どうやら水が乾き始めている。
ならば、出発を少し遅らせつつ、速度を絞って進めば、遠からず、走行に支障のない程度にまで路面は乾く。
0930スタンバイ。
最初の目的地は、柳川。
昨日、ホテルに入る前に、もう一度「ゆめタウン」に行って近隣地図を見たのですが、当初目標の吉野ヶ里遺跡は結構遠くて、反面、 すぐ近くに「川下り」で有名な柳川市があることを発見。
ならば、2日目は柳川に行って、海沿いをサイクリングしながら、佐賀空港に戻ろうと。
ホテルの駐車場に止めてあったチャリはずぶ濡れ状態。とりあえず拭けるところを拭いて、異常なさそうなので走り出す。
チェーンにも油が残っているし、ま、持つでしょ。
国道208号を南下する。
大川市を出るまでは結構幅の狭い道で、朝から動き出した車に吹かれるように前に進む状態だったけれども、
街を出た後は、道の幅も広くなり、車も減って、しかもうれしいコトに、路面もほとんどドライ状態になる。
思う存分、全速力。
地形がまっ平らなのにも助けられ、巡航速度は30キロ/h。
たしかに、巡航速度30キロってのは、
クルマやバイクに比べれば、比べるべくもない貧弱な移動能力だけれども、
しかし、徒歩の移動能力と比べると、それこそ、羽が生えたに等しいダントツの移動効率。
しかも、長距離の移動は電車や飛行機を利用でき、降りてはバスのダイヤに拘束されずに、しかも原付と同じだけの速度で移動できるとなると、 旅のプランニングにとっては、大革命級の移動手段となるわけで。
これは、使える。
今後はぜひ、チャリを持って行こう。
すでに輪行旅行に完全に味を占めた感がありますが、
本当に効率的です。この輪行という旅行手段。
徒歩旅行で、ツーリングマップルやドライブマップを参考にするのは、ただの酔狂か修験者ですが、チャリを伴っている身には、 その大きな縮尺がむしろ心地よい。
あそこと、本当は出来れば、あそこも。
後もうちょっとで届かなかったその場所に、
本当は見たかった、その風景に、
チャリだと、その「もう一歩」が届きます。
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そうこうしているうちに、既に柳川近郊に到着したらしく、最初の道路標識が。
【柳川市内→○○km】
ところで、柳川って、何があるの?
昨日「ゆめタウン」で仕入れた知識によれば、掘割を船で遊覧するのが有名な観光地であるらしい。
佐原(千葉県佐原市)みたいなところかね?
船に乗る気はさらさらないですが、ならば、そう言う風景は、さぞかし画になるだろうと。
チャリは市街地に入り、そうすると、掘割の街らしく、観光地化されてない部分でも、あちこちにクリークが水をたたえる。
って、水はあんまりキレイじゃないね。
大川の低湿地部分もそうですが、というより、筑後川もそうなんですが、この辺の水は、清らかと言うよりも、 たまり水という表現の方がしっくり来るようで。
ま、干潟が近いことでもありますし、水は、どちらかと言うと緑色っぽい泥水色。
東京湾のヘドロとは違って、ニオイがきつくないだけマシではありますが、
やはりニオイも泥のニオイ。
写真を撮るならば、この水の色を何とかしないとなぁ。
太陽が出ているところをローアングルで撮って、水をきらめかせて、地色をごまかすか、PLフィルターぐらいを使えば、 なにか変わって見えるのか。
あるいは、モノクロで撮ってしまえば、地色なんて関係ない。
脳が勝手に「そうあるべき」水色に変換してしまう。
この辺が、実は、写真の本当に面白いところ。
どうせならば、風景と真剣勝負。
素材のアラが残るか、自分の腕が勝つか。
まんま、撮ってきれいな風景と、調理しないとモノにならない風景と、
後者のほうが、むしろ、撮ってて喜びを感じませんか?
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道に迷い、どんつきで引き返し、Uターンし、バイクやクルマなら、その切り替えしのメンドクサさに、自分に対して切れているところですが、
やっぱり自転車は楽ですよ。
降りたら、歩行者。
乗っても、軽車両。
どんな細い道でも、降りてしまえば行き違いに苦労するコトなんて皆無。
止まって写真を撮っていても、道を塞ぐこともない。
そんなこんなで、ようやく柳川の観光地区にたどり着いたわけですが、
石畳の敷かれた美観地区。
堀の両側に石畳がしかれ、その周りを観光茶屋にみやげ物屋がとりかこむ。
ウナギの蒸篭蒸しで有名な地区らしく、あたり一帯にウナギを焼く匂いがする。
ぅぅ。
最大限、好意的に書いてみても、やはりにじみ出てしまうんですが、
要するに、つまらない。
ディズニーですか、ここは。
夢と魔法の王国じゃあるまいし、
観光客のためにあつらえられたセットを見ても面白くなんかない。
この街って、どんな街?
あくまでも、住んでいる人が、自分達のために作った美観・美風だから美しいんでしょ?だからこそ、見る価値があるんでしょ?
街にとって、観光客は、あくまでもオマケで、余計で、少数派でしかないんじゃないの?
いや、それを楽しいと感じる人が多いならば、その街の経済が潤うわけで、雇用が拡大するわけで、望ましいコトであって、 部外者が文句を付けるコトではないんですが、
ただ、残念だなぁと。
いやね。柳川がつまらないと言うわけではありませんよ。
つまらないのは観光地区だけ。
先ほども書いたように、柳川の町並みには、普通の地区にも普通に掘割が残っている。
日常生活の横を、掘割が流れている。
路地の脇に水が湛えられ、小さなアーチの石橋を渡って、人々が行き来し、
子供が自転車でその脇を走り、ネコがまどろみながら、掘割に立つさざなみを感じている。
それは、静かで、穏やかで、健やかで、美しく。
別に美観地区を作るまでもなく、この街の日常生活は、まぎれもなく魅力的なのに。
この風景のなかで進む物語を、その構想を練ってしまうぐらい、印象的なのに。
本当に残すべき、
あるいは、本当に誇るべきは、
間違いなく、こっちだと思うんですけどねぇ。







